漢方と病院の治療(現代医学)との違いは様々。
病院の治療が局部を重視する事に対し、漢方では体のシステムのバランスと自然治癒力を重視します。
木が枯れた時に、その木を切るのではなく、森全体を見て、剪定したり川を引いたりするような方法で妊娠しやすい体作りを目指します。
漢方は、原因不明の不妊症の方にはとても効果的な治療法の一つとなります。
検査や手術、体外受精などの高度な不妊治療は病院でないとできません。
どちらかの治療が良いとか悪いとかいう事ではなく、ご自身にあった方をチョイスしたり、併用されたりするのが建設的かと思います。
漢方では「気」「血(けつ)」「水(すい)」の3つの要素で身体が成り立っていると考えられています。
「気」は生命エネルギーを指します。
元気、やる気など「気」という感じは良く使われますよね。
人体の構成と生命活動のもっとも基本となるものです。
「血(けつ)」は全身に栄養を供給し、潤すことがその働きです。
貧血とは違いますが、貧血の方は血が不足している方とは言えるでしょう。
血は精神活動の主な基礎物質で、不足すると精神的に不安的になります。
「水(すい)」は津液(しんえき)とも呼ばれ、人体にある正常な水分のことを指します。
水の働きは全身を潤すことで、内臓機能、筋肉、毛髪、粘膜を潤し、関節の働きを円滑にするなどの働きがあります。
これらが相互に助け合い、密接に関係しあい全身に巡り、生理機能を営んでいるのです。
この量や巡りのバランスが良い時は、その方にとってベストな状態。
気血水(きけつすい)のどれかが不足したり、滞ったり、過剰になったりする事によってバランスが崩れるので、そこを整えることで妊娠しやすい身体へ導きます。
これは妊娠しやすい身体だけではなく、元気で出産・育児も含めて役に立つ事です。
よく言われる「冷え」の他、余分な水が貯まった「痰湿」、水の流れが滞っている「水滞」、気が足りない「気虚」、気が滞っている「気滞」、血が足りない「血虚」、血が届こっている「オ血」などがあります。
余計な水分を過剰に体に溜め込んでいる人や、気(生命エネルギー)の不足や流れの悪さ、血の量や栄養が不足していたり、血の流れが悪かったりするために身体のパフォーマンスが悪くなっている状態です。
このパフォーマンスの悪さが妊娠に悪影響を及ぼしているとして、まずはどこかどうなっているのかを見立てます。
そして、どうやってバランスを取っていくのかを考えていきます。
また漢方では「気血水」いがにも、成長・発育・生殖などに関わる泌尿器・生殖器・腎臓などの機能を「腎」(腎臓とはまた別です)と呼び、「腎」が低下したり不足している状態は「腎虚」と言います。
不妊症の方は、この「腎」という部分が弱っている事が多いです。
多くの方はこれらの事が何個か絡み合っている方が多く、足りない部分は補い、過剰な部分は出す事でバランスをとっていきます。
漢方でバランスを取りながら、生活習慣も気をつけてもらい、食事も体質にあったものを選ぶ事で、原因不明の不妊症の方などにもキッチリとアプローチできます。
●痰湿タイプ
<こんな症状の方>
・体が重だるい
・雨の日に体調が悪くなる
・胃の中がぽちゃぽちゃする
・ポリープや脂肪腫がある
・軟便傾向
・舌に苔がたぷりついている
<対策>
・はとむぎや小豆、とうもろこしなど利水作用のある食材を食べる
・汗をかく運動をする
・温かい物を食べる
・水分の摂り過ぎには注意
・冷やさない
・甘いものを控える
●陽虚(冷え)タイプ
<こんな症状の方>
・温かい飲み物、食べ物が好き
・寒さに弱い
・手足が冷たい、下半身が冷えやすい
・顔色が青白い
・舌の色が白っぽい
・卵管水腫がある
<対策>
・体を温める食べ物(生姜やネギ)積極的に摂る
・薄着は避ける
・日光を浴びる
・消化の悪い物や冷たい物は控える
●気虚タイプ
<こんな症状の方>
・疲れやすい
・話すことさえ億劫になる
・食欲があまりない
・下半身太り
・生理中下痢しやすい
・不正出血がある
・朝が苦手
<対策>
・睡眠をしっかり確保する
・汗のかきすぎに注意
・よく噛んで食べる
・食事は食べ過ぎないように
・ゆったりとした運動をする
●気滞タイプ
<こんな症状の方>
・ストレスが多い
・のどや胸、耳が詰まった感じがする
・生理前緊張症が強い
・抑うつ傾向、憂鬱になりやすい
・イライラしている怒りっぽい
・痛みがあちこち移動する
・下痢と便秘を繰り返す
<対策>
・香味野菜やハーブを取り入れる
・ストレッチをする
・規則正しい生活
・アロマテラピー等でリラックス
・心が塞ぎ込まないように気をつける
●血虚タイプ
<こんな症状の方>
・肌や髪がパサパサ
・爪がもろい
・めまい
・動悸を感じる事がある
・目が疲れやすい
・不安感がある
・生理周期が遅れがち
・物忘れが多い
・不眠気味
<対策>
・赤い食材、黒い食材を意識して食べる
・ドライフルールも良い
・パソコンやスマホはほどほどに(目を使いすぎない)
・寝不足と過労に注意
・
●オ血タイプ
<こんな症状の方>
・慢性的に同じ所に痛みがある
・顔色がどす黒い
・目の下にクマ
・唇の色が青紫がかってる
・肌荒れしやすい
・血管が浮き出て見える
・肩こりがある
・生理痛がひどい
・生理にレバー状の塊がある
・舌の色が青紫がかってる
<対策>
・体を温めて血流をよくする
・ストレスを運動や趣味で発散
・生姜、ニンニク、ラッキョウなどの辛味野菜がお薦め
・腰回りを冷やさない
●腎虚タイプ
<こんな症状の方>
・白髪・抜け毛がある
・耳が聞こえにくい
・膀胱炎を繰り返す
・髪にハリやコシがなくなってきた
・足腰がダルい
・息が深く吸えない
・記憶力減退
<対策>
・冷やさないよう心がける
・過剰な糖質は摂らない
・黒豆など黒い食材を食べると良い
・ストレスをためない
これらのタイプを舌や問診から判断し、タイプ別の生活上でのアドバイスや食事のアドバイスし、体質にあった漢方やサプリメントをご提案します。
卵胞が育つまでに約180日、その中でもラスト90日がラストスパートなので、トラブルのない方はこれを目安に。
体のトラブルがある方は、まずはトラブルのない状態に戻してから、それからプラスの方向に向いていきます。
この年令(30~40代)で自分の体の傾向を知っておくと、今後にとても役立ちます。
食事や生活習慣を自分のタイプに合わせる事によって、元気に出産のみならず、元気に育児!を実現できます。
産んで終わり…ではなく、産んだ瞬間から育児がスタート!
子供が20歳になるまで夫婦共に元気でいるために漢方で体質を知るのはとてもいい機会です。
『不妊症はお友達にはなかなか相談しにくい』という方が多いのではないでしょうか。
噂やインターネット上の知識に惑わされ、かえって不安になってしまうものです。
漢方のサツマ薬局の子宝(妊活)相談では、専門の漢方カウンセラーが対応いたします。
病院治療にも詳しく、西洋医学を否定するような事はありませんので安心してください。
人に話すことで頭の中が整理されることもありますので、まずはご相談され、心の荷物を下ろしてみてはいかがでしょうか。