卵管は子宮腔と卵巣を結ぶ10センチほどの細い管である。卵巣側はラッパのように開いていて、その先端が卵管采で扇状になっている。
そこから排卵した卵が取り込まれるが、卵管の中央部までの内腔は比較的広く膨大部と言われる。
卵管は最近などの感染があると、簡単に閉鎖したり変形し、妊娠しずらくなる原因となる。
卵管采に近い部分が炎症で閉鎖するとブクっとしたソーセージのように膨らんでしまい、卵管留水腫や卵管留膿腫という状態になる。
卵管内腔に病変が及んでない場合は手術をする事もあるが、全体的にみるとあまり良い結果が得られていない。
またオペによって卵巣機能低下になる事もある。
<卵管留水腫の症状>
①大量のおりもの
②不正出血
③(感染をおこすと)下腹部痛、発熱
※水がたまっているから感染しやすいとされる。
診断は超音波検査や子宮卵管造影検査でわかる。
ただ、月経周期によっては跡形もなくなっている事もあれば、卵胞と間違われてしまう可能性もある。
排卵した卵子が取り込まれない「ピックアップ障害」がある。
卵管に問題があるので、体外受精をすれば良い結果が得られるかというと実はそうではない。
卵管水腫の場合には卵管に貯留している水が子宮内に逆流して流れおち、子宮内に移植した受精卵を洗い流してしまうとか、たまった水が受精卵に対して毒性を持っている説などがあり、胚移植に対して半分ほどまで成功率が下がると言われている。
また妊娠継続率も卵管留水腫を持ってない人に比べると低くなるとされている。
そのため、卵管留水腫があった場合、問題のない反対側の卵管も切除すると体外受精の成績が良くなるという報告もある。
オペで卵巣機能が低下する可能性もあるので、治療の考え方の1つとして
1、手術前に体外受精をやってみる
2、移植後に水が受精卵を流すので水腫を改善する努力をする
3、手術をする場合は、不妊治療専門のドクターから受けるようにする
※もちろん医師とよく相談してください。
漢方では「気」「血(けつ)」「水(すい)」の3つの要素で身体が成り立っていると考えられています。
※下の図
その中で、「水」の部分にトラブルのある痰湿体質の人が卵管水腫になりやすいと考えられている。
湿はサラサラした余計な水、痰はベタベタした水と捉える。
水気病。
脂っこい食事、肉、油をよく食べるようになって増えてきている。
水毒の治療が必要なのと、「脾」と「腎」が弱くなっている。
脾・腎が弱くなると水がたまるとされる。
また、詰まっているモノを摂らないと脾と腎は強くならない。
<腎系に水毒がある人>
鼻に汗をかきやすい、腰痛、腰がダルい
<脾に水毒がある人>
手足が重だるい、腹部が太い、朝起きれない、汗っかき、食べ過ぎ
また水を動かすには身体が冷えていては良くない。
特に女性は。
手術をしたくない方は漢方と養生を検討するのも良いです。
手っ取り早い方法の一つとして、お風呂で湯船に浸かるようにすると良いです。
また、温灸などもお勧めです。